プロフィール

山歩屋

Author:山歩屋
天気の良い山が好きです。
天気が悪い日の山は楽しくありません。
一人山へ行きたくなったときは、天気予報を見ます。
そして 行ったり、行かなかったり…

間ノ岳の頂上で、寒さに耐えながら御来光を待ちました。
待ち焦がれた瞬間です。
朝日が山を染め始めました。
流れる雲には私の影が映っています。
暖かそうな虹の輪が、私の影を包んでいました。

間ノ岳にて

[記事年代順]
17年7月 野反湖
17年5月 釈迦ヶ岳
17年3月 宝登山
17年2月 ハクバスキー
17年1月 蔵王スキー
16年12月 高宕山
16年11月 日向山
16年9月 飯盛山
16年7月 野反湖
16年7月 霧降隠れ三滝
16年6月 黒檜山
16年5月 足利フラワーパーク
16年4月 子持山
16年2月 苗場スキー
16年2月 志賀高原
16年1月 本社ヶ丸
15年11月 大平・晃石山
15年9月 日光白根山
15年8月 蝶々誕生
15年6月 あじさい屋敷
15年6月 柴又サイクリング
15年6月 丸山(秩父)
15年4月 三ツ岩岳
15年4月高尾山花見
15年4月桜の季節
15年3月八方尾根スキー
15年2月赤倉蟹&スキー
15年2月志賀スキー
14年12月愛宕山
14年11月鍋足山
14年10月高ボッチ高原
14年10月房総の村
14年9月那須高原キャンプ
14年8月習志野花火大会
14年6月勝浦(千葉県)
14年6月 水郷ポタリング
14年5月 鳴虫山
14年5月 天城森林浴
14年4月 桃源郷
14年4月 花見川
14年3月 三毳山
14年3月 青葉の森
14年3月 志賀高原
14年2月 乗鞍高原温泉
14年2月 戸隠スキー
14年2月 袋田の滝
14年2月 苗場スキー
14年1月 美ヶ原Ⅱ
14年1月 美ヶ原Ⅰ
14年1月 竪破山
13年12月 高尾山
13年11月 大山(おおやま)
13年11月 生瀬富士と袋田滝
13年11月 青笹山
13年10月 八海山
13年10月 本栖湖キャンプ
13年9月 高川山
13年9月 西沢渓谷
13年9月 尾白川渓谷
13年8月 横尾山
13年8月 戸田花火&BBQ
13年7月 高尾山ビアマウント
13年7月 麻綿原高原
13年7月 鋸山散策
13年6月 伊豆の中心部へ
13年6月 伊豆への道中
13年5月 倉岳山・高畑山
13年5月 湯島キャンプ
13年5月 四ツ又山~鹿岳
13年5月 富士山観賞
13年4月 日光から足尾 Ⅱ
13年4月 日光から足尾 Ⅰ
13年4月 印旛沼ポタリング
13年3月 三ツ峠山
13年3月 志賀スキー
13年3月 白馬スキー
13年2月 高峰温泉雪遊びⅡ
13年2月 高峰温泉雪遊びⅠ
13年2月 野沢温泉スキー場
13年2月 宮城蔵王スキー場
13年1月 高湯温泉
13年1月 蔵王温泉スキー場
13年1月 猫魔で初滑り
12年11月 渡良瀬渓谷
12年11月 渡良瀬遊水地
12年10月 平泉
12年10月 安達太良山Ⅱ
12年10月 安達太良山Ⅰ
12年9月 乙女森キャンプ
12年8月 仙丈ヶ岳 Ⅱ
12年8月 仙丈ヶ岳 Ⅰ
12年8月 千葉の花火大会
12年7月 裏磐梯キャンプ
12年6月 甘利山
12年6月 赤城山
12年6月 水元公園
12年5月 渡良瀬遊水地
12年5月 金環日食
12年5月 上州三峰山
12年4月 一切経山
12年4月 近隣の桜
12年4月 吉野梅郷
12年3月 榛名外輪山
12年3月 海に続く電柱
12年3月 ハクバ
12年3月 志賀高原 Ⅱ
12年3月 志賀高原 Ⅰ
12年2月 雲龍渓谷 Ⅲ
12年2月 雲龍渓谷 Ⅱ
12年2月 雲龍渓谷 Ⅰ
12年2月 戸隠 Ⅲ
12年2月 戸隠 Ⅱ
12年2月 戸隠 Ⅰ
12年2月 嬬恋スキー
12年1月 大山スキー
12年1月 ドイツ村Ⅱ
12年1月 ドイツ村Ⅰ
11年12月 大和葛城山
11年12月 ビール工場ツァー
11年12月 野協忘年山行
11年11月 談山神社の紅葉
11年11月 明日香の紅葉
11年11月 古城の紅葉
11年11月 堺の紅葉
11年11月 化野 念仏寺
11年11月 栂尾 高山寺
11年11月 大原 三千院
11年11月 大原 寂光院
11年11月 岳人の森Ⅱ
11年11月 岳人の森Ⅰ
11年11月 宍粟の秋
11年10月 霊山
11年10月 串柿の里
11年10月 白髪岳
11年9月 祇園北側
11年9月 物部川の滝
11年9月 四国カルストの夜明け
11年9月 四国カルストの黄昏
11年9月 八釜甌穴・姫鶴平
11年9月 中津渓谷
11年9月 仁淀川安居渓谷
11年9月 だんじり&ふとん
11年8月 東はりまキャンプ
11年8月 北山川 Ⅲ
11年8月 北山川 Ⅱ
11年8月 北山川 Ⅰ
11年8月 山陰浦富海岸
11年8月 北山川ダッキー
11年8月 古座川カヌー
11年7月 夏 徒然Ⅱ
11年7月 夏 徒然Ⅰ
11年7月 笠置山本番
11年7月 白浜ダイビング
11年6月 笠置山
11年6月 白鷺池公園花菖蒲
11年6月 山田池公園の花
11年5月 浜寺公園
11年5月 葛城山Ⅱ
11年5月 葛城山
11年5月 青山高原
11年4月 筱見キャンプⅡ
11年4月 筱見キャンプ
11年4月 吉野観桜Ⅱ
11年4月 吉野観桜Ⅰ
11年4月 須磨アルプス
11年4月 北山花見
11年3月 大阪城・鶴見緑地
11年3月 荒山公園梅林
11年3月 野沢温泉スキー
11年3月 リベンジ釈迦ヶ岳
11年2月 中山 健ハイ
11年2月 山陰から大山へ
11年2月 シャルマン火打スキー
11年1月 釈迦岳転進観音峰
11年1月 蟹&スキーIN兵庫
11年1月 裏六甲氷瀑巡り
11年1月 志賀高原スキーⅡ
11年1月 志賀高原スキー
10年12月 摩耶山ハイク
10年11月 東福寺へ
10年11月 詩仙堂へ
10年11月 実相院・曼殊院
10年11月 紅葉 勝尾寺
10年11月 紅葉 勝尾寺
10年11月 紅葉 勝尾寺
10年11月 紅葉 箕面滝
10年11月 川湯キャンプ
10年11月 しまなみ海道 Ⅱ
10年11月 しまなみ海道へ
10年11月 高御位山
10年10月 首里城へ
10年10月 慶良間へ
10年10月 沖縄へ
10年10月 竜王山
10年10月 有馬四十八滝
10年9月 古座川キャンプⅡ
10年9月 古座川キャンプⅠ
10年9月 モンゴル料理
10年9月 猛虎会
10年9月 沖縄料理
10年9月 吉野川ラフティング
10年8月 ホルモン焼
10年8月 原不動滝キャンプ
10年8月 白浜海水浴
10年8月 鏡平へ
10年8月 三俣蓮華・双六岳
10年8月 三俣山荘への道
10年8月 黒部五郎岳へ
10年8月 太郎兵衛平へ
10年8月 木曽駒ヶ岳Ⅱ
10年7月 木曽駒ヶ岳Ⅰ
10年7月 暑気払い
10年7月 紀伊大島ダイビング
10年7月姫路セントラルパーク
10年7月白浜ダイビング
10年7月食いしん坊台湾編
10年7月吉野川キャニオニング
10年7月小歩危ラフティング
10年7月 虚空蔵山
10年7月 野宴 納涼会
10年6月 神戸森林植物園
10年6月 布引ハイク
10年6月 蛍川キャンプ
10年6月 食いしん坊韓国編
10年6月 地蔵川の梅花藻
10年6月 緑化センターの花
大峰大日岳のアケボボツツジ
10年5月 大峰大日岳の花Ⅱ
10年5月 大峰大日岳の花
10年5月 芦屋川地獄谷
10年5月 立山夏スキーⅣ
10年5月 立山夏スキーⅢ
10年5月 立山夏スキーⅡ
10年5月 立山夏スキーⅠ
10年5月 大阪 渡船場巡り
10年5月 御嶽山スキー
10年4月 馬籠宿・妻籠宿
10年4月 明治村散策
10年4月 伏見名水巡り
10年4月 金剛山
10年4月 雲山峰
10年4月 甲山ツツジ゙と桜
10年4月 千苅ダム・大岩岳
10年4月 大阪城公園花見
10年3月 再カラアゲマウンテン
10年3月 堺ポタリング
10年3月 赤倉合流スキーⅡ
10年3月 赤倉合流スキー
10年3月 野沢温泉スキー
10年3月 志賀スキー
10年2月 六甲荒地山
10年2月 南部梅林
10年2月シャルマン火打スキーⅡ
10年2月シャルマン火打スキーⅠ
10年2月ハチ北スキー&かに
10年1月 マキノ高原ハイク
10年1月 蓬莱山ハイク
10年1月 平日スキー東鉢
10年1月 前山から明神平
10年1月 白いフアンタジィ
10年1月 雪中ハイク前山ヘ
10年1月 樹氷ハイク明神平ヘ
10年1月 続ハクバの遊び
10年1月 ハクバで雪遊び
10年1月 東京ドームシティ イルミ
09年12月 初滑り 勝山
09年12月 カラアゲマウンテン
09年12月 ODK二つの行事
09年12月 六甲と道草
09年12月 六甲忘年山行
09年12月 局ヶ岳
09年11月 長老ヶ岳
09年11月 晩秋紅葉 勧修寺
09年11月 晩秋紅葉 永観堂
09年11月 晩秋紅葉 天満宮
09年11月 晩秋紅葉 嵯峨野
09年11月 晩秋紅葉 嵐山
09年11月 ミステリーキャンプ
09年11月 笹ヶ峰へ
09年11月 笹ヶ峰への道
09年11月 グアムでダイビング
09年11月 グアムで講習
09年11月 あけぼの平への道
09年10月 モダン焼と紅葉
09年10月 余呉キャンプ
09年10月 ゴロゴロ岳
09年10月 下ノ廊下
09年10月 浄土山から黒部湖
09年10月 室堂へ
09年10月 伊吹山頂上へ
09年10月 伊吹山へ
09年09月 赤石岳へ
09年09月 悪沢岳へ
09年09月 千枚小屋へ
09年09月 鷲峰山
09年09月 観音峰・稲村ヶ岳
09年09月 古光山・赤目渓谷
09年08月 大江山キャンプ
09年08月 堺の夜景
09年08月 堺の日没
09年08月 蓮華岳を過ぎて
09年08月 蓮華岳へ
09年08月 針ノ木岳の朝
09年08月 針ノ木峠へ
09年08月 池木屋山
09年08月 堺の思いでⅤ街
09年08月 堺の思いでⅣ春
09年08月 堺の思いでⅢ冬
09年08月 堺の思いでⅡ秋
09年08月 堺の思いでⅠ夏
09年07月 尼崎レクカーニバル
09年07月 四万十川
09年07月 芦屋の海で
09年07月 公園の花
09年07月 蓮と自戒
09年07月 健ハイ中山
09年07月 蝶の温室
09年06月 宇治と納涼会
09年06月 三室戸寺
09年06月 六甲ヤマアジサイ
09年06月 赤いシチダンカ
09年06月 六甲水面の花
09年06月 布引の百選紀行
09年06月 白鷺公園花菖蒲
09年06月 賤ヶ岳ハイク
09年06月 ほたる川BBQ
09年06月 反省の孔雀岳
09年05月 阿蘇からの帰り
09年05月 荒涼たる山の彼方
09年05月 阿蘇のスケール
09年05月 由布岳の花園
09年05月 荒野の花園
09年05月 御在所岳の花
09年05月 高野山の彩り
09年05月 赤石山系
09年05月 天狗塚
09年04月 春の聖パートⅠ
09年05月 春の聖パートⅡ
09年04月 吉野の桜
09年04月 広田神社ツツジ
09年04月 北山貯水池花見
09年04月 大和路 宇陀
09年03月 栂池スキー
09年03月 霊仙山
09年03月 三峰・学能堂山
09年03月 薊岳・明神平
09年02月 府庁山
09年02月 妙高市民スキー
09年02月 ハチ・ハチ北スキー
09年01月 奥美濃スキー
09年01月 八犬伝の富山
08年11月 摩耶山の紅葉
08年11月 新雪の大普賢岳
08年11月大山・蒜山・吹屋Ⅰ
08年11月大山・蒜山・吹屋Ⅱ
08年11月大山・蒜山・吹屋Ⅲ
08年10月 本白根・横手
08年10月 仙人温泉へ Ⅰ
08年10月 仙人温泉へ Ⅱ
08年10月 仙人温泉へ Ⅲ
08年10月 仙人温泉へ Ⅳ
08年10月 八淵滝・武奈ヶ岳
08年9月 平城宮と奈良
08年9月 六甲ロックガーデン
08年8月 水晶への山旅Ⅰ
08年8月 水晶への山旅Ⅱ
08年8月 水晶への山旅Ⅲ
08年8月 水晶への山旅Ⅳ
08年8月 御嶽山
08年7月  釈迦ヶ岳
08年7月 堺~鶴見緑地
08年7月 雄岡山・雌岡山
08年6月 立山サマースキー
08年5月 岩湧山
08年4月 春の黒部五郎岳
08年4月 竜門山
08年4月 山上ヶ岳
08年3月 愛宕山(京都)
08年3月 野協春スキー
08年3月 志賀スキー
08年2月 ハクバスキー
08年01月 岩戸山・十国峠 
07年11月 牛滝山紅葉狩り 
07年 11月10日 剣山 
07年11月 大崩山 
07年10月 越百山・南駒ケ岳・空木岳 
07年9月 御手洗渓谷 
07年8月 五色ヶ原・薬師岳 
07年7月 札幌出張の余得 
07年5月 犬鳴山~和泉葛城
07年4月 弥山谷・八経ヶ岳 
07年4月 三嶺と屯鶴峯 
07年1月 曾爾高原 
06年12月 金勝アルプス 
06年11月 韓国・高千穂峰 
06年10月 祖母山 
06年8月 日本最低峰二峰
06年7月 焼岳 
06年5月 春の双六岳
06年4月 九重連山 
06年1月 ハチ北スキー 
05年10月 岩殿山送別山行 
05年9月 平標山 
05年7月 常念岳・燕岳 
05年7月 姫神岩手早池峰 
05年6月 巻機山 
05年6月 雷鳥沢スキー 
05年5月 三斗小屋温泉へ 
05年5月 日留賀岳 
05年4月 春の乗鞍岳 
05年4月 鹿岳・四ツ又山 
04年11月 養老渓谷
04年10月 高原山
04年9月 四阿山・根子岳
04年4月 春の燕~木無里 
04年3月 鳴虫山 
04年3月 丹沢なごり雪 
04年1月 黒斑山
03年12月 日向山
03年9月 蔵王・月山
03年9月 編笠山
03年8月 男体山
03年6月 上州武尊山
03年6月 那須茶臼・南月山
03年5月 両神山
03年5月 春の唐松・雨飾
03年1月 高峰高原
02年12月 本社ヶ丸
02年11月 初冬の栗沢山 
02年10月 那須大白森山
02年10月 鳥海山・月山 
02年7月 五色ヶ原
02年5月 金峰山・瑞牆山 
02年5月 春の蝶ヶ岳 
02年4月 春の鳳凰三山 
01年10月 木曽駒・雨飾山 
00年4月 越百山~南駒ケ岳
99年10月 妙高山 
99年4月 春の穂高岳 
98年4月 春の内蔵助平 
95年10月 八ヶ岳

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山を歩けば
楽しいことが好きです。   「ワイワイ遊ぶこと」=「幸せ」が私の基本です。                  膝の手術をしてから山へ行くことが少なくなって・・・ でも名前は温存しています。             「習志野山歩会」「関東アウトドアクラブ」所属。興味ある方 左下のリンクからどうぞ。
2007年8月8~11日 五色ヶ原・薬師岳
2007年 8月8~11日 五色ヶ原・薬師岳 山行録
当初、夏休み予定は8/3~8日だった。
行動計画は、
折立-太郎平小屋(泊)-北ノ俣岳-黒部五郎小舎(泊)-三俣蓮華岳-鷲羽岳-水晶小屋(泊)-水晶岳-赤牛岳-高天原(泊)-雲の平-薬師沢小屋(泊)-太郎兵衛平-折立
と、雲の平周辺を5泊6日かけてゆったり遊ぼう。というものであった。
ところが、7/29日になると台風5号が発生。
中国大陸へ抜けてくれるよう祈っていたが、8/2日宮崎県に上陸、山口県から日本海に抜けても、8/4日青森県に再上陸する。という、意地悪なコースを辿ったのである。
止む無く休みを8/8~11日に変更、行き先を「荒川三山・赤石岳」か「聖岳・赤石岳」に変更しようとした。が、南アルプス公園線は台風4号で崩落。車両通行不可になっていた。
室堂の天気予報は、8/8日:曇り一時雨。
2002年夏、野協のメンバーで五色ヶ原・黒部湖をやったことがある。
『一日目は天気が悪くてもしかたないか!』紆余曲折を経て五色ヶ原・薬師岳へ行くことにした。

8月7日(火)
新大阪から、21時50分発 立山室堂直行バスに乗り込んだ。
バスはがらがら、京都を過ぎても14人しか乗っていなかった。
席は後から3列目、サロン部分にあたるため、座席の前後も広い。
通路を隔てた単独行のおばさんは有峰口で下車し、ダイヤモンドコースを行く予定とか。
アルコールも手伝って、いつしか眠りに落ち、トイレ休憩以外寝っぱなし。
広いということは、ありがたいことだ。

8月8日(水)晴のちガス
目覚めると、バスは弥陀ヶ原に向けて登っていた。
隣のおばさんは、運転手さんの所にいた。
有峰口はとっくに過ぎている。
後の座席の4人連れのおばさん達が話していた。
「予約を受けた人と運転手の連絡が悪いのね。かわいそうに!
コースを変更するか、一日無駄になるけど有峰口に戻るしかないわね。」
「でも、あの人も悪いのよ、乗るときに『有峰口で止めてくだい。』って念を押しとくべきよ。
被害を受けるのは自分なんだから…」
車窓から見える鍬崎山・薬師方面は晴ていた。
しかし、大日・剣・立山の峰々は頭を雲の中に隠していた。
バスを降り、室堂ターミナル(2430m)の屋上に上がった。
出発の準備をしていたが、あの単独行のおばさんは上がって来なかった。
7時40分、稜線の見えない立山連峰を眺めながら、石を敷き詰めた遊歩道を歩き始める。
展望が効かないので、浄土山は止めて一ノ越へ向かう。
01一ノ越手前から龍王岳が見えた02一ノ越から槍・笠03浄土山一ノ越分岐より剣と立山連峰
雪渓をいくつか横切りながら進む。その内、浄土山・雄山の頂が時々見えるようになってきた。
一ノ越直前の斜面から、右手に龍王岳の頂上が見えた。(写真01)
一ノ越(2700m)に出てみると、大きな赤牛岳が眼に飛び込んで来る。
槍や笠も見える。(写真02)天気予報は外れたのだ。
五年ぶりの北アルプス北部の景観を前に休憩。
水分補給の後、龍王岳へ向かう。
浄土山への分岐に近づくと、剣の姿が良い感じになってきた。(写真03)

『羨ましがらせメールを送ってやろう。』と携帯写真を撮ったが、圏外で送信できない。
04龍王岳手前から五色ヶ原の向こうに薬師岳05龍王の絶壁とピラミダルな雄山06鬼岳からスバリ岳・針ノ木岳北葛岳
東は後立山の峰々、南には五色ヶ原から越中沢岳・薬師岳へ今回の山旅ルートが一望できる。(写真04)富山大研究室の周辺は平地(2840m)で絶好の展望台である。
10時を回ると、雲の湧き出しが激しくなったのでやむを得ず歩を進める。
5年前は、ここで早飯にして(アルコールも少し舐めたり)のんびりが過ぎ、五色ヶ原到着が遅くなってしまった。
龍王岳の急坂を下ると鬼岳との鞍部(2610m)だ。
鞍部の雪渓を過ぎ、鬼岳の巻道の登りに少し入ったところから「龍王岳の絶壁」とその先に「雄山」が続いて見える。その荒々しい姿の素晴らしいこと。(写真05)
実は、先程から気になっている人がいる。
龍王岳の急な下りにさしかかると、遥か下方を黄色い傘が行く。
鬼岳を過ぎると、また雪渓がある。
爪先下がりのトラバース(2610m)なのに、傘をさしたまま歩いて行く。
獅子岳へ向かう道から針ノ木岳の全貌が見えた。(写真06)

獅子岳頂上(2714m)へ着くや、西風に乗って雲がドンドンやってくるようになった。
携帯電話を取り出してみると、アンテナが立った。
メールを飛ばす… アンテナが消え、「接続が切れて送信できませんでした。」とメッセージが表示された。
アンテナは出たり消えたり、不安定だ。
もう一回チャレンジしてみたが、やっぱり途中で「接続が切れて送信できませんでした。」のメッセージ、結局、メールは飛ばなかった。
時間が早いので、のんびり昼食にするが、その間、黒部湖が見えることはあっても、頭上を覆う雲が晴れることはなかった。12時30分、ザラ峠(2348m)へ向かう。
07獅子岳を過ぎて、花の向こうに雪渓08五色ヶ原にてチングルマの絨毯09ガスの幕が上がると南沢岳と烏帽子岳が姿を現した
急坂に入る手前で下方のガスが切れると、お花畑だった。(写真07)ガスに巻かれたまま、ザラ峠へ下り、五色ヶ原(2490m)へ登り着く。
五色ヶ原に入るとルートは木道になった。
ガスの中でもチングルマがかわいく咲いている。(写真08)
突如ガスの幕が割れる。
舞台に登場したのは烏帽子岳と南沢岳。
2004年の夏、瀬野さんと二人でカミナリにビビリながら歩いたルートの序盤部分だった。(写真09)

ちょっと烏帽子の想い出の写真を
001瀬能さんと烏帽子002南沢岳途中烏帽子を振返る003南沢岳より烏帽子
想い出の写真終了。

10烏帽子岳の右後方に燕岳と表銀座の出発点11コバイケイソウと赤牛岳12チングルマと三ツ岳
幕はスルスル上がり、南沢岳・烏帽子から三ツ岳の稜線と後方に餓鬼岳が登場した。(写真10)
明日の好天を予感しつつ散策気分で五色ヶ原山荘に到着する。
宿泊手続きと同時に缶ビールを購入。(2002年には生ビールがあった筈だが?)
木道に腰掛て雄大な景色の中で、シュルシュル喉を通過するビールのうれしい感触!
部屋に荷物を置きに行く、6畳に4人だった。
夕食は17時から、しばし、ブラつきを楽しむ。
ガスが晴れて散策にはもってこいだ。
コバイケイソウを前景に赤牛岳。(写真11)
チングルマ・ハクサンイチゲを前景に三ツ岳・野口五郎岳。(写真12)
山が輝いている。

ザラ峠から男性が一人登って来た。
「ゆっくり楽しんできましたね。」
「龍王岳の上でのんびりし過ぎました。20年前にも来たことがあるんですけどねぇ…
あとに、こんなきついところがあるのは記憶にはなかったもんですから!」
「五色ヶ原という穏やかな名前に惑わされましたね。」
曇り一時雨、という天気予報が外れたのを感謝しつつ宿に戻る。
夕食後、500CCのペットボトルに入れた酒とつまみをDバッグに潜ませ、食後の散歩。
13五色ヶ原からはスバリ・針ノ木・北葛が近い14北葛と船窪岳に覆い被さる七倉岳
傾き出した日を浴びて、針ノ木岳と北葛岳のバランスの良い眺め。(写真13)時々やってくるガスの幕が劇場効果を上げる。(写真14)

『今回の山行は成功だ!』との思いを強くして部屋に戻る。
同室者は、薬師からやって来た単独行と、薬師へ向かう金沢の二人連れだった。
私はペットボトルの酒を呑みながら、金沢の二人連れは黒霧島の芋焼酎(私のと同じ銘柄だ)を呑みながら話に花が咲く。「今日より明日。明日より明後日。太平洋高気圧がドンドン張り出してきて、天気もドンドン良くなりますよ。」
薬師から来た単独行は、展望の効かない山旅だったらしい。
「あなた達が羨ましい。」とぼやく。
やがて、部屋の窓から、新月間近特有の綺麗な星空が見え出した。
いつしか快い眠りに落ちる。

8月9日(木)晴のちガス
期待に違わぬ朝がやって来た。
15黎明の針ノ木岳16朝の五色ヶ原から野口五郎・槍・赤牛・笠
朝食前、外に出てみると、スバリ岳の彼方で太陽が昇ろうとしている気配。(写真15)5時からの朝食を済ませ、外に出てみる。
野口五郎岳・赤牛岳・祖父岳・笠ヶ岳が、朝の清々しい姿で迎えてくれた。(写真16)

 荷造りを終え、期待に胸を膨らませて今日の一歩を踏み出す。
穏やかな朝の五色ヶ原を鳶山へ向かう。
振返ると、昨日歩いてきた山々が五色ヶ原の上に朝日を浴びようとしていた。
お嬢さんを過ぎかけた女性が一人、空身で斜面を下って来た。
「おはようございます。鳶山へ行って来たんですか?」
「おはようございます。いいえ。時間がないもんですから。」
「時間がなくてはしかたないけど、鳶山からの大展望を見ないのはもったいないですね。」
しばし登って行くと、後ろから、先ほどの女性が戻ってきて追い越して行く。
「やっぱり、鳶山へ行ってみることにしました。」
ほどなく鳶山の頂上(2616m)へ出ると、さきほどの女性が一人、写真を撮っていた。
「ありがとうございます。おとうさんのおかげです。」
といきなり言われた。
「いや、5年前来たとき、鳶山からの大展望に感激したもんですから。
余計なことと思いはしたんですが、やっぱり、言って良かったみたいですね。」
「ほんと、鳶山に登っても、槍ヶ岳が少し近くに見えるくらいだと思ってました。
10日前に山に入って、槍・黒部五郎を通って、昨日、薬師から来たんですよ。
途中台風に逢うは、晴れても風が強烈で山小屋に足止めされたり、何も見られなかったんですよ。
今日は、何度も行った雄山に 又、寄って帰るつもりだったんです。」
「雄山に行くくらいなら鳶山の方がずっと良いですよ。」
「ほんと、そうですよねぇ、こんなに展望が効く山だなんて思いもよらなかったです。おとうさんのおかげですよ。」
「いや、あなたの見てやろう根性のおかげですよ。」
「おとうさん、シャッター押して頂けます?」
「いいですよ。」
「槍・赤牛をバックと、薬師をバックと、雄山をバックと、3枚お願いします。」
『10日間、辛抱の日々を過ごしたんだ。』と思いつつシャッターを押す。
携帯電話を見ると、アンテナが立っているので、『写真を羨ましメールで飛ばしてやろう。』と入力していると、後続の人達がやって来始めた。
彼女は?と見ると、デジカメを盛んにいじくっている。
「どうしたの?」
「写真を撮りたいんだけど、メモリーが一杯になってしまって…、今まで撮った写真を消しているんです が、何だかわけがわからなくなってきて… 」
17鳶山から五色ヶ原と立山・五竜・鹿島槍18鳶山から左から野口五郎・槍・赤牛・水晶・笠・黒部五郎・薬師近景は越中沢岳からスゴの頭
振返ると、広大な五色ヶ原の向こうに 雄山・龍王岳・鬼岳・獅子岳が一塊になって聳えている。(写真17)前方には穏やかな越中沢岳を前景に北アルプス北部の山並みの大パノラマが広がっている。(写真18)

アンテナは立ったり消えたり、メールが飛ばせないまま 携帯電池が切れてしまった。
またも、彼女が「おとうさん、シャッター押してくれませんか。」と言う。
[おとうさん。]にはちょっと抵抗を感じつつ 再びシャッターを押す。
鳶山へ来て、すでに一時間が経っている。
「もう一度、薬師に行きたくなったんじゃないの?」
「ほんと、そうですよ。今までの10日間より今の一瞬の方が値打ちありますよ。」
結局、1時間半経った。
「私、もう行かなくては… 」
「後ろ髪が抜けそうだよ。」
「すごいわぁー!もう!やっと巡り会えた景色なのに。
でも、帰らないと、世間が許してくれないですから。」
「気を付けて帰って下さい。」
「さようなら!」
彼女は五色ヶ原へと下って行った。
1時間半の間に10人程が先へ行った。
金沢の二人連れが「10日間とはすごいですねぇー」と言って出かけて行った。
五色ヶ原に泊っていた人数の割りに、鳶山へ来た人の数が少ない。
五色ヶ原に来ていながら、もったいない。
こんな展望コースで、時間がたっぷりあるのは嬉しいことだ。
鳶山を後にするとき、五色ヶ原から黄色の傘が登って来るのが見えた。
景色を眺めているテント単独行の人に挨拶し、越中沢岳目指してゆっくり歩き始めた。
越中沢乗越(2356m)へ260m下る。
鞍部はシラビソ林。木道が敷設されている。
涼しくて気持ちが良いので木道に腰掛けて、ビスコをかじる。
数分後、テント山行の人がやって来て斜め向いに腰掛ける。
「木陰も気持ち良いですねぇ。」
「ビスコ食べませんか?」
名古屋から来たそうだ。
「ザックが小さいけど、何泊ですか?」
「小食なので、3泊ですが9.3kgです。テントもちゃんと入ってますよ。」
こうして、驚きのパックマンと木道を共に行くことになった。
やがて緩やかな登りになって、あっさり樹林限界を超えてしまった。
だだっ広い平原がうねったような感じの尾根だ。
最初のピーク(といっても平らである)で男女二人連れが二組、4人が休憩している。
合流して また休憩。
しばらくして黄色い傘(女性)と男性がやって来て座り込んだ。
黄色い傘の下、顔はタオルで覆われていた。
「万全のガード体制ですね!」
だんなさんは、焼き込んだという感じで、真っ黒。極端に対照的な夫婦である。
広々としたうねりのような尾根を越中沢岳へと高度を上げる。
振返ると、見慣れた山塊が鳶山の稜線上に移動していた。五色ヶ原は鳶山にかくれてしまった。(写真19)
19越中沢岳から鳶山・雄山を振返る
20越中沢岳から剣・立山・天狗の頭・不帰ノ剣・唐松・五竜・鹿島槍・爺ヶ岳・針ノ木21越中沢岳から今夜の宿、スゴ乗越小屋が見える22越中沢岳から赤牛・水晶・黒部五郎を見ながらスゴノ頭へ向かうルート
越中沢岳の頂上(2591m)に出ると、またも大展望が待っていた。
後方には、再び五色ヶ原が姿を現し、さらに、後立山の山並もさらに露出度アップ。(写真20)
前方には、スゴ乗越を経て、薬師への登りの尾根上に、スゴ乗越小屋が小さく見えている。(写真21)スゴの頭の先には左から、赤牛岳・水晶岳・三俣蓮華岳・雲の平・黒部五郎 と、大きな眺めが展開している。(写真22)

頂上にはやがて10数人の集団ができあがった。
皆のんびり構えている。
自然に道連れ意識が芽生えて行く。
昨日、五色ヶ原で「龍王岳の上でのんびりし過ぎた。」と言った人は、遠路、宮崎からの旅人だった。
10時半を過ぎる頃、雲が湧き、流れてくるようになった。
ぽつり、ぽつりと先へ進む人が現れた。
もう少し、のんびりを決め込み、ラーメンを作り始める。
乾燥イタリア料理を食べ終えた(まずかった)ときには、一人ぽっちになっていた。
下り始めたのは丁度12時、視界はガスに閉ざされていた。
穏やかにスタートした下りは、数分後、岩混じりの急坂に変貌した。
40分下ったところでユキコさんが痩せた岩稜で「お先にどうぞ。」と言った。
その下で、79歳のお父さんが「スゴの頭まで40分と標識にあったけど、まだですかねぇ?視界が効かないので良くわからなくて。」と聞く。
「その標識には気付きませんでしたが、スゴの頭までコースタイムは1時間40分ですよ。まだ1時間近くかかると思いますが… 」
お父さんは40年前に注文生産してもらったという、今ではほとんどお目にかかれない黒い登山靴を履いていた。
娘さんは明らかに岩稜に戸惑っていた。
「山小屋で会いましょう。」と言って先に行く。
10分ほどで鞍部(2300m)だった。
少し登るとスゴの頭(2390m)に着いた。
神戸の4人組と宮崎の人が休憩していた。
「ここは寒いじゃないですか!」と言って少し戻って風の当たらない場所で休憩。
やっぱり寒いので、すぐに出発。
宮崎さんも一緒に下り始めた。
ここも大石がゴロゴロしていて、歩きにくい道だ。
やがてガスの下に抜けた。
「スゴ乗越で休んでいる人が見えます。手を振っていますよ。」
こちらも手を振り返す。
降りてみると、名古屋のパックマンだった。
乗越(2150m)には、腰掛けるのに適当な石がたくさんあり、ガスもなく寒くもない。
目の前には高天原と雲の平、赤牛・水晶の上部は雲に隠れているが格好の休憩地だ。
程なく、神戸の4人組が合流した。
会話がはずむ。
「ここから小屋まで40分だし、早く着いても夕食まで時間潰しが大変。」
「ビール代が大変なんでしょ。」

「あの親子連れ、歩くのが随分ゆっくりだけど、大丈夫かな?」
「お父さんは79歳だって。」
「でも、お父さんは『娘がいなければもっと早く行ける。』と言ってらしたよ。」

「左手に見えるのは 赤牛と水晶よね?」
「そう、その下が高天原で崖の上が雲の平。」
「えっ!雲の平が見えてるの?」
「正面から右方向に、崖の上が一直線に見えるでしょ。あれが雲の平。
ここ(2150m)より、雲の平(2550m)の方が高いので、あんな風に見えるんですよ。」

やがて、スゴの頭からの下りに親子の姿が見え出した。
「ボチボチ ビールを目指しますか?」
小屋(2270m)には 薬師方面からやって来た人もいるが、宿泊者は概ね20人余りだった。
小屋正面のテーブルで乾杯。
名古屋のパックマンもテン場からやって来た。
500ccのペットボトルに入れてきた「黒霧島」が空いてしまった。『明日からどうしょう!』

2階で寝床の準備をして、階下に降りてくると、宿のスタッフがいた。
缶ビールを購入して小屋前のテーブルにすわる。
もう誰もいない。
満天の星を眺めながら乙な気分である。
星が二つ、天の川から赤牛岳を目指し、追いかけっこをしながら消えて行った。

8月10日(金)晴
今日も快晴の空を見上げて出発。
30分ほど登ったところで、一息入れた。
23スゴ乗越小屋を出て振返ると越中沢岳が意外に大きい24間山から薬師へのルートを見上げる25間山を過ぎて薬師への道端に咲くハクサンイチゲ
来し方を見ると、越中沢岳の意外に大きな山容が目立つ。(写真23)
昨日、鳶山から眺めた、ローラーでのしたような尾根の姿からは想像できない。
髭を剃っていると宮崎さんがやって来た。
「越中沢岳って立派な山ですねぇ。
剃り終わったら貸して頂けますか?」
二人旅になった。
展望が良いと地図にある間山(2585m)には7時に着いた。
しかし、逆光で写真には不向き、薬師へのルート(写真24)を撮るくらいしかなかった。
昨日もそうだったんだが、宮崎さんは凄い勢いでシャッターを押しまくっている。
今日の前半は登り一辺倒だ。
ハクサンイチゲの咲く斜面(写真25)の横を、大展望を期待しながら過ぎる。

大石のゴロゴロ道を登り切ると、待っていたパノラマが唐突な感じで繰り広げられた。
「ウワァー!良い眺めですねぇー!」
26北薬師の全貌が見えた27赤牛・水晶・槍・三俣蓮華・笠に続いて薬師が見渡せる
まず薬師と北薬師をデジカメに納める。(写真26)「これは、パノラマにしないともったいですね。」(写真27)

宮崎さんは360度のパノラマを撮るつもりらしい。
「凄い枚数撮るんですね。」
「もう、500枚撮りました。」
「凄過ぎです。」
「最近は記憶容量が増えましたからねぇ、3ギガと予備に1ギガを持って来てます。」
しばしスケールの大きな展望を楽しむ。やがて北薬師へ行きたくなって。
「そろそろ行きませんか?」
「いや、お先に行って下さい。私はもっと写真を撮ってます。」
「では、ゆったり歩いてます。」
ここからは展望の山旅になる。
山々の変化を楽しみながら、散歩気分で歩くのが良い。
大石の斜面を登り切ると北薬師の頂上(2900m)だ。
鷲羽岳と爺岳の間に槍ヶ岳。双六岳の上に穂高連峰。(写真28)
28北薬師から水晶・鷲羽・槍・穂高・中景として雲の平・三俣蓮華を展望
さすがに槍・穂高は高く大きい。
北薬師から、3、40m先、薬師よりのピークの方が高く見えるので、そちらに移動。
眺めもこちら方が良かった。足下に落ち込んだすり鉢状の金作谷カールを挟んで、薬師岳が立ちはだかっている。(写真29)
29北薬師から金作谷カールを挟んで薬師の眺め
何とも言えない臨場感。
しばし、時が止まった。
宮崎さんはなかなかやって来ない。
『写真に余念がないのだろう。』
薬師に向かって吊り尾根の下りに入る。
今までと違って、吸い込まれそうなカールを眼下に痩せた岩稜を下って登り返すコースだ。
散歩気分というわけには行かないが、そそくさ行くのはもったいない、眺めを堪能しつつゆったり足を運ぶ。
それでも薬師は着実に近づいて来てくれる。
コースタイムの倍の時間をかけて薬師の頂上(2926m)に着いた。

30薬師から太郎平へのルートの向こうに槍・三俣蓮華・笠を望む31薬師から水晶と雲の平の上に槍を眺める
少し雲が湧いて穂高は見えなくなっていた。(写真30)続いて、雪渓を前景に水晶・鷲羽・槍・雲の平の写真を撮る。(写真31)

しばらくして神戸の4人組、そして宮崎さんもやって来た。
「シャッターを押して下さい。えーと、このカメラにしようかな。いやあの人のカメラに… 」
「一人づつ、二人づつ、三人づつ、四人づつ、全部撮りましょうか?」

北アルプス北部の山がほとんど見える。
宮崎さんは九州から来たのに随分北の山に詳しい。
目の前に赤牛岳の大きな姿が広がっている。
「赤牛岳って、あれは山と言えるんですかねぇ。
単に、稜線の終点ですよねぇ。」というと。
「下から眺めると山に見えるから 許されるんじゃないですか。
20歳のころから、毎年、北には来てましてね。
水晶から赤牛も往復しました。
だだっ広い平坦な道を延々と行って、延々と戻る面白くないコースでした。
若いときはテント担いで2週間くらい歩き回ったこともありましたよ。
最後の方は食料が乏しくなってね。そのとき道連れになった女性から分けてもらったおにぎりの旨かったこと。」
コッフェルを取り出し、昼食の準備を始めると、
「私は避難小屋の方へ行って写真を撮ってます。」
と言って、今度は先に行った。
昼食を済ませ、食事中の4人組に挨拶して下りに入る。
32薬師を過ぎて愛知大生大量遭難の東南稜を眼下に水晶・右後方に大天井・鷲羽・槍・33次薬師から赤牛岳が大きい
避難小屋(2900m)のところから伸びている尾根が、愛知大生が本稜と間違えて踏み込んだ東南稜だ。(写真32)赤牛岳がさらに大きく近づいた。凹凸の少ない様子がよくわかる。(写真33)

宮崎さんはもう下ってしまっていた。
吊り尾根の痩せた岩稜と打って変わって、広々とした稜線を下る。
薬師岳山荘(2690m)の前に差し掛かると、宮崎さんがカレーを手に山荘から出てきた。
山荘横の真新しい縁台に腰をおろす。
「食事だったんですか。」
横で紅茶を作ることにした。
宮崎さんがカレーを食べ終わるのと、紅茶の出来上がるのが同時だった。
宮崎さんの湯飲み茶碗に紅茶を注ぎ、チューブの練乳を垂らす。
「ミルクティーです。」
一口飲んで「ミルクティーの味がします。」
色気のない感想が返ってきた。
時間がゆったり流れる。

山荘前のベンチに名古屋のパックマンがいた。
「お先に」
平地を少し行くと下りに差し掛かる。
34薬師岳山荘を過ぎて薬師平を見つつ下る35ミヤマキンバイとハクサンイチゲの群落36薬師平から槍と三俣蓮華
薬師平が見えた。(写真34)途中には「シナノキンバイ」と「ハクサンイチゲ」が一緒に咲いていた。(写真35)薬師平(2480m)についても、槍だけは不思議に姿を見せている。(写真36)

薬師平からの下りは沢伝いになった。
少し上部の雪渓から水が流れてきている。
沢横に張ってあるロープを跨いで顔を洗った。
宮崎さんはロープを跨がずに顔を洗い「私はロープを越えてませんよ。」と自慢げに言う。
顔を拭き終わったところで「あれーっ!眼鏡がない。」
辺りを見ると、ロープの向こうの石の上に眼鏡が置いてあった。
「ロープを越えてるじゃありませんか。」
名古屋のパックマンが追いついた。
三人で沢身を下る。
水が川砂に吸い込まれるように伏流化した。
薬師峠に近づいたところで、三箇所から水が湧き出している。
その水の冷たかったこと。喉を通過する冷たい感触。
「雪渓下の水より冷たいねぇ。」
薬師峠のテン場でパックマンは野営の準備。
宮崎さんと二人、ベンチで休憩。
しばらくすると、神戸の4人さんが手を振りつつ現れた。
ベンチを譲り、「では、我々は先に行って場所を確保しておきます。」
峠から50m登ると、太郎兵衛平だ。
今夏の山旅最後の宿、太郎平小屋に向けて木道が伸びている。(写真37)
37太郎兵衛平に入ると太郎平小屋が見える
宿泊手続きをして、小屋前のテーブルを確保。
6人揃って、生ビール(一杯千円)で乾杯。
皆でつまみを広げる。
「これはカワハギ、切れ端みたいなのは、手で千切ったからで 食べさしではありませんよ。」

「北薬師と薬師の間でも黄色い傘をさしてたよ。」
「根性あるねぇー!」

話しに楽しい花が咲く。
旅は道連れ、展望の山旅を振り返っての酒盛りは格別である。
『おやっ?』
袖を付けたらスキーウェアになりそうな ドハデなシャツのオッサンが視界の隅を横切った。
「秀さーん!」
「あれーっ!何やってるんでっか、こんなとこで! 御一緒の人達は尼崎の方ですか?」
「いや、山で一緒になった人達です。」神戸の人が答える。
「ちょっと、あと二人いるんで。 おーい!」
9人での酒盛りになった。
秀さん(習志野山歩会メンバー)が紹介してくれる。
「こちら、あのブログの人。
  彼は福岡から来ました。」
「もう会ってますよ、武尊山には一緒させてもらいましたから。」
「そして、彼は豊中から単身赴任中。」
「山歩会の山行は、バス利用で便利ですから、よく参加させてもらってます。」
「今日、富山支店長に折立まで車で送ってもらって、12時過ぎに登り始めたんですよ。」
「秀さんが飛ばすから3時間で登ってきました。」
『ムムッ! 一緒でなくて良かった。』
「明日は薬師をピストンしてから雲の平へ。
明後日は水晶から黒部五郎へ… 」
「黒部五郎カールの雪渓で、冷しそうめんなんていいよ。」
「持ってきた。そうめん持ってきた。」
「ワーッ 最高! しかし、薬師は北側から見ないと値打ちがないよ。」
「明日帰るんですか? 土曜日に帰るなんて、なんちゅういい加減さ!」
若干イヤミの応酬も。
夕食の時間になったので中締め。
テーブルをかたずける。
秀さんが「これ持ってって。」と、ビニールパックをわたす。
見ると「ピリ辛味 元祖 うみぁーっ手羽」と書いてある。
「これから登る人が、降りる者に食い物をくれるなんておかしいよ!」
「いいから、いいから。持ってって。」
(呑んだ勢いでもらったものの、帰路 サンダーバードの中で『つまみにしよう。』と、出してみると、「さっとあぶって」と書いてあった。)
夕食が終わって、酒盛り再開。
「オーッ! 水晶が良く見えるようになった。」
「写真を一枚撮っておこう。」(写真38)
38水晶岳を背景に秀さん一行
暗くなってきた。談話室にところを変えて酒盛りは続く。
最後には、秀さん達が持ってきた焼酎がなくなってしまった。
『ゴチになりました。明日からは、山小屋の高い酒を飲んでちょうだい!』

8月11日(土)晴
下山の日の朝が来た。
相変わらず青空が広がっている。
朝食を済ませ、
「折立12時30分のバスなので、北ノ俣向けて、行ける所まで行って引き返そうと思います。」
と言うと、宮崎さんも
「私は15時50分のバスなので、北ノ俣を往復します。」と言った。
名残尽きぬ思いで太郎山(2372m)を越える。

39太郎兵衛平から北ノ俣方面の眺め40北ノ俣手前の高台から笠ヶ岳とわずかに見える乗鞍岳41高台から太郎平小屋と薬師
北ノ俣手前のピークがゆったりと盛り上がっている(写真39)『あそこまで行こう。』ゆったりしたピーク(2576m)に出た。南の方には、緩やかに波打つ北ノ俣からの稜線上に、今までとちょっと形を変えた笠ヶ岳の美しい姿。(写真40)
北の方には、薬師の裾の上に毛勝の山々が頭を出している。(写真41)
42高台から黒部五郎が大きい43高台から北の俣岳44太郎平小屋の向こうに鍬崎山
黒部五郎岳。カールを懐とすると、今は背中を見せている。あの向こう側で、秀さん達は冷しそうめんに舌鼓を打つのだろうか?(写真42)北ノ俣岳の山の端の美しい曲線を境に緑と青の清清しいコントラスト。(写真43)太郎兵衛平には、夕べ楽しく騒いだ太郎平小屋の赤い屋根が見える。(写真44)

折り返しの時間と決めていた7時になった。
「ありがとうございました。時間が来ましたので、私は下ります。」
「ありがとうございました。私は北ノ俣へ向います。」
朝特有の、柔和な光がそそぐ柔和な景色。
太郎山手前から遥かに見える白山の姿は、展望の山旅を締めくくるにふさわしく、印象的であった。(写真45)
45白山が綺麗に見えていた


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