仙人温泉へ Ⅲ
10月12日(晴れ)
日の出に合せて千人池に出てみると、良い場所はでっかい三脚に占領されていた。
「剱本峰が見える筈やけどわからんなぁ!」と潤田さん。
ベンチのまわりで写真を撮っていると、写真が趣味という豊中の男性と知り合いになった。
しょっちゅう来ているらしく、池の平への道すがら、平の池や展望台へ行くことを勧められる。
池ノ平小屋に着くと、一昨日の紫の女性がいた。
「これから、阿曽原へ行って泊りです。」
「で、平の池には行ってきたの?」
「いえ、行ってませんよ。」
「池に映る裏剱を見ないで行くなんて、それはもったいない!」
豊中の人の受け売りで勧めると。
ザックを置いて、池に下りて行った。
展望台へ行くと、小窓雪渓を挟んで(三ノ窓雪渓は見えない)Ⅷ峰・チンネが覆い被さるように聳えている。
「あかん!カメラの高角度がたらんわ。」と言うと、
「魚眼レンズ持っとんやけどなぁ!」とデジカメを構えた潤田さんが答えた。
池の平山は、下から見ると草原の山腹に一本道が通っており、穏かに見えた。
実際に歩いてみると、草原の急坂を直登するので厳しい道だった。
しかし、頂上についてからの展望は一級品だ。
絶景の中での昼食とコーヒータイムは、贅沢この上なし である。
潤田さんが「今回の山は成功やなぁ!」と独り言を発した。
「下ノ廊下は来年にしましょう。」
13時になったので下り始めると、豊中のカメラマンが登ってきた。
挨拶をして草原状の斜面にでる。
足を滑らしたら止まりそうもないゲレンデを降りて、池の平小屋へ。
「ええとこやなぁ! ビール、ビール」気分良く乾杯。
「予定外の寄道したから、結構遅なったで。」
3人は先行し、仙人池ヒュッテに預けたザックを取りに行った。
一人、のんびり写真を撮らせてもらう。
頃合いをみて、仙人池ヒュッテで合流し、仙人温泉小屋を目指した。
仙人温泉小屋目指して仙人谷を下っているとき、男女の二人連れが追い抜いて行った。
「早やー!」
みるみる差は開いていく。
遅ればせながらも16時半、仙人温泉小屋に到着した。
食事は第二回目、18時からなので、ゆっくり温泉に浸かれる。
二人が上がってきたので、脱衣所が一杯、総会・潤田・豊川3人が先に入った。
服を脱いでいると、「オーイ!ビール買うて来てや。」
3人が叫ぶ。
「入る準備してからそんなこと言うかー! 『買うて来い。』言うなら、順番待ちしてるときに言わんかー!」
「アッ、怒っとる!怒っとる!」
とは言いながらビールを4本持って湯船に入る。
ホース2本から75度の源泉と水、うまくバランスしていて良い湯加減だ。
紅葉の唐松岳を背景に「かんぱーい!」
先程追い越していった男性が入っていた。
湯船にビニール袋が浮いている。
『ゴミか!』と思ったら、彼が酒を入れて燗していたのだ。
食事のとき、ざるそばを出された人がいた。
数年前から、そば職人にそば打ちを教える先生が、そば粉持参で来るようになり、タイミングが合った人だけ、数限定でそばを出すようになったそうである。
「僕、そばがめっちゃ好きなんですよ!」豊川君がうらめしげ言う。
それが功を奏した。
「少しだけですが。」と先生が打ったそばを出してきてくれた。
当然、他の3人もご相伴にあずかる。
「すごい腰があってうまいですねぇ!」
豊川君に一番多く分けたのは言うまでもない。
食後、焚き火前のベンチで酒盛りを始めると、あの早い男女がやって来た。
火が小さくなったとき、ペアの男性の方が、灰の中に太い角材を見つけて掘り出した。
「この木に火が点いたら長持ちするで!」と皆の意見。
しかし、なかなか燃えない。
それぞれが「なんとか燃え上がらそう。」と工夫するのが結構楽しい。
6人で遊んでいる内に就寝時間がやってきた。
日の出に合せて千人池に出てみると、良い場所はでっかい三脚に占領されていた。
「剱本峰が見える筈やけどわからんなぁ!」と潤田さん。
ベンチのまわりで写真を撮っていると、写真が趣味という豊中の男性と知り合いになった。
しょっちゅう来ているらしく、池の平への道すがら、平の池や展望台へ行くことを勧められる。
池ノ平小屋に着くと、一昨日の紫の女性がいた。
「これから、阿曽原へ行って泊りです。」
「で、平の池には行ってきたの?」
「いえ、行ってませんよ。」
「池に映る裏剱を見ないで行くなんて、それはもったいない!」
豊中の人の受け売りで勧めると。
ザックを置いて、池に下りて行った。
宿泊準備をする豊中の人と別れ、北の山を眺めて後、池に下ることにした。 | 池ノ平は、池塘が点在する秋色の草原だ。 |
彼女も池の近くで写真を撮っていたが、一足早く戻って行った。 「彼女、総会さんの写真撮っとったで!」 「うそや!」 「いや、ほんま! レンズが総会さんの方に向いとったもん。」 「そら『変なおっさんがおる。』思て撮っとったんやろ。」 |
展望台へ行くと、小窓雪渓を挟んで(三ノ窓雪渓は見えない)Ⅷ峰・チンネが覆い被さるように聳えている。
「あかん!カメラの高角度がたらんわ。」と言うと、
「魚眼レンズ持っとんやけどなぁ!」とデジカメを構えた潤田さんが答えた。
池の平山は、下から見ると草原の山腹に一本道が通っており、穏かに見えた。
実際に歩いてみると、草原の急坂を直登するので厳しい道だった。
しかし、頂上についてからの展望は一級品だ。
南には迫力満点 剱の岩峰が視野の大部分を占領している。 | 北は池ノ平山北峰・白ハゲ・赤ハゲから毛勝の山、東は後立山連峰が続く。 |
絶景の中での昼食とコーヒータイムは、贅沢この上なし である。
潤田さんが「今回の山は成功やなぁ!」と独り言を発した。
「下ノ廊下は来年にしましょう。」
13時になったので下り始めると、豊中のカメラマンが登ってきた。
挨拶をして草原状の斜面にでる。
足を滑らしたら止まりそうもないゲレンデを降りて、池の平小屋へ。
「ええとこやなぁ! ビール、ビール」気分良く乾杯。
「予定外の寄道したから、結構遅なったで。」
トイレに寄ったとき、大窓に続く「白ハゲ・赤ハゲ」を撮っていなかったことに気付く。 | 仙人峠に着くと、休憩していたおじさんが「あなた達、池ノ平小屋でビール飲んでたでしょ!それから歩いて来るなんて、元気ありますなぁ!」と言う。 ひんしゅくを買ってしまった。 |
3人は先行し、仙人池ヒュッテに預けたザックを取りに行った。
一人、のんびり写真を撮らせてもらう。
頃合いをみて、仙人池ヒュッテで合流し、仙人温泉小屋を目指した。
仙人温泉小屋目指して仙人谷を下っているとき、男女の二人連れが追い抜いて行った。
「早やー!」
みるみる差は開いていく。
遅ればせながらも16時半、仙人温泉小屋に到着した。
食事は第二回目、18時からなので、ゆっくり温泉に浸かれる。
二人が上がってきたので、脱衣所が一杯、総会・潤田・豊川3人が先に入った。
服を脱いでいると、「オーイ!ビール買うて来てや。」
3人が叫ぶ。
「入る準備してからそんなこと言うかー! 『買うて来い。』言うなら、順番待ちしてるときに言わんかー!」
「アッ、怒っとる!怒っとる!」
とは言いながらビールを4本持って湯船に入る。
ホース2本から75度の源泉と水、うまくバランスしていて良い湯加減だ。
紅葉の唐松岳を背景に「かんぱーい!」
先程追い越していった男性が入っていた。
湯船にビニール袋が浮いている。
『ゴミか!』と思ったら、彼が酒を入れて燗していたのだ。
食事のとき、ざるそばを出された人がいた。
数年前から、そば職人にそば打ちを教える先生が、そば粉持参で来るようになり、タイミングが合った人だけ、数限定でそばを出すようになったそうである。
「僕、そばがめっちゃ好きなんですよ!」豊川君がうらめしげ言う。
それが功を奏した。
「少しだけですが。」と先生が打ったそばを出してきてくれた。
当然、他の3人もご相伴にあずかる。
「すごい腰があってうまいですねぇ!」
豊川君に一番多く分けたのは言うまでもない。
食後、焚き火前のベンチで酒盛りを始めると、あの早い男女がやって来た。
火が小さくなったとき、ペアの男性の方が、灰の中に太い角材を見つけて掘り出した。
「この木に火が点いたら長持ちするで!」と皆の意見。
しかし、なかなか燃えない。
それぞれが「なんとか燃え上がらそう。」と工夫するのが結構楽しい。
6人で遊んでいる内に就寝時間がやってきた。
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